どうもgive-keyです。
今回は、投資における三大理論の一つ、「エリオット波動」について解説していこうと思います。
この「エリオット波動」は、投資を始めている方なら一度は耳にしたことがあるのではないかと思いますが、実際学ぼうとしても、かなりややこしい理論ですよね。
今回は、そんな「エリオット波動」について、初心者でも使えるような内容にしているので、この理論をマスターすればかなり優位性が高いトレードが出来ます。
まずは全体的なルールやガイドラインを説明した後に、実際の市場での識別方法や、使い方などを深堀していきます。
最後にはこの「エリオット波動」の長所と短所についても触れていくので楽しみにしていて下さい。
それでは始めましょう。
エリオット波動の起源とその背景
ラルフ・ネルソン・エリオット
1981年アメリカ生まれ
1930年代当初に金融市場について研究を重ねていた所、市場はフィボナッチ数列で測定できる自然法則に従ってると主張
更には「波動理論」「自然の法則」「宇宙の秘密」といった本を手掛ける
それから間もなくして死去
エリオット波動の基本
エリオット波動の原則は
5つの波と3つの波で構成される

エリオット波動ではそれぞれにラベルが貼られていて、 波の頂点1~5までの波を「推進波」と呼び、A~Cまでの波を「調整波」と呼びます。
そして、それぞれの波をさらに分解すると、推進波の中にも調整波があったり、調整波の中にも推進波があります。
このように、細分化した同じ方向に進む波を「衝撃波」と呼びます。

もう気づいているかと思いますが、エリオット波動では、推進波の中にも衝撃波や調整波があるように
エリオット波動は、フラクタル構造のように、一部が全体と同じような構造を持つ
という事です。
1つの波の中に更なる波があり、その波にも更なる波があるように、エリオット波動というのは、内部で繰り返されているんですね。
例えて言うならマトリョーシカみたいなものでしょうか?
大枠から、段々とクローズアップしていくイメージを持ってもらえれば、分かりやすいかと思います。
9つの波の段階
このエリオット波動は、フラクタル構造として波動を形成していることもあって、幅広いレベルにおいて、波動が確認することが出来ます。
それこそ、数百年から数分まで、全ての時間足にエリオット波動理論を適用することが出来ます。
この性質から、スキャルピングからスウィングトレードまでのトレードスタイルで使い勝手がいい理論なんですね。
これを「波動の段階」と呼び、9つの段階に分かれるので、一つずつ解説していきます。
グランド・スーパー・サイクル
ラベルは以下の通り

期間は「100年以上」
スーパー・サイクル
ラベルは以下の通り

期間は「10年以上」
サイクル
ラベルは以下の通り

期間は「数年から数十年」
プライマリー
ラベルは以下の通り

期間は「数月から数年」
インターメディエイト
ラベルは以下の通り

期間は「数週から数月」
マイナー
ラベルは以下の通り

期間は「数日から数週」
マイニュート
ラベルは以下の通り

期間は「数日」
メヌエット
ラベルは以下の通り

期間は「数時間」
サブメヌエット
ラベルは以下の通り

期間は「数分」
以上、9つの波動を紹介しましたが、これを全て分析するのはハッキリ言って現実的ではありません。
全ての波動の次元を分析することは、分析の精度は向上するのでしょうが、リアルタイムでチャートを確認すると、複雑さが増すことになります。
よって、先ずは波動の段階を3つに絞って、チャートを追跡することから始め、基本的な波動理論を理解していくと効率的です。
波動を特徴づける3つの要素
波形
この波形は前回からも話している通り、5-3のパターンです。
エリオット波動を構成する要素の中で最も重要な要素となります。
比率
この比率というのは、波の間の垂直な比率の事をいい、しばしばフィボナッチツールと組み合わせて分析されます。
エリオット波動理論によれば、特定の波は特定のフィボナッチ比率を意識し、分析の側面では有意であることが多いです。
時間
時間とは、異なる波の間の水平な比率であり、ここでもフィボナッチ比率を尊重します。
このように、エリオット波動の構成要素は3つありますが、この理論では、「波形」が最も重要視されており、「5-3」のパターンについてのルールが明確化されています。
つまり、最も重要視する「波形」を満たさない場合、エリオット波動とは言えないんですね。
それでは、そのルールについて詳しく説明していきます。
エリオット波動のルール
ルール
- 第2波は、第1波の起点を超えて拡大することが出来ない
- 第3波が、最も短い波であってはならない
- 第4波が、第1波の価格領域に戻ることが出来ない
- 全ての推進波、調整波は5つのサブ波で構成されなければならない
- 第5波が、第3波を超えないとしても、第3波は第1波を常に越えなければならない
この最初の3つのルールを順守されない波形はエリオット波動として扱う事が出来ません。
これは、比較的単純なルールなので、エリオット波動を見分ける事が出来ます。
更に、具体的なルールとしてルール4、ルール5が存在しています。
ルール1

ルール1:第2波は、第1波の起点を超えて拡大することが出来ない
左右の図を見てもらうと、第1波の起点に赤い水平線を引いていますよね。
エリオット波動のルールその1では、第2波のリトレースメントが、水平線を超えてはならないとされています。
左の図を見てもらうと、第2波が第1波の起点を超えずに上昇している事が分かります。
もし、右の図のように、赤い水平線を超えてリトレースメントした場合は、エリオット波動の波のカウントにはなりません。
ルール2

ルール2:第3波が、最も短い波であってはならない
このルールは、第3波が推進波の中で最も短い波ではないというルールになります。
左の図のように、第3波は第1波と第5波よりも短い波形となっていますが、
これは厳密には第3波ではなく、通常より次数が低い拡張された1~3波としています。
この辺りは、後ほど詳しく解説します。
ルール3

ルール3:第4波が、第1波の価格領域に戻ることが出来ない
このルールは、第1波が形成した起点と終点を結んだ領域内に第4波がリトレースメントすることが出来ないというものです。
左の図では、第1波の起点と終点の領域を横に拡大してみると、第4波がその領域までリトレースメントしているのが分かるかと思います。
こうなった場合、エリオット波動の第4波としてカウントされず、その後についても保証されません。
ルール4

ルール4:全ての推進波、調整波は5つのサブ波で構成されなければならない
このルールは、全ての推進波や調整波は5-3のパターンであることが条件となっています。
波動の要素の中の一つにもある「波形」がこのルール4の根幹となっています。
左の波形を見てみると、それぞれの推進波の構成要素に5つの波形で成り立っておらず、波動の要素である「波形」を満たしていないため、これはエリオット波動とは言えません。
ルール5

ルール5:第5波が、第3波を超えないとしても、第3波は第1波を常に越えなければならない
このルールは第3波の特性について主張しています。
第3波とするには、まず第1波を超えなくてはならないとされています。
第5波と比べても特に制限はなく、第1波よりも超えられなかった場合は、これを第3波として扱う事は出来ません。
よく「第3波はエリオット波動の中で最も伸びる性質を持つ」という情報が飛び交っていますが、 正しくは「第3波は第1波よりも伸びなくてはならなく、最も短くなってはならない」が正解です。
推進波の分類
次は、推進波について詳しく解説していきますが、この推進波は主に2つのタイプに分かれます。
それが、「衝撃波」と「ダイアゴナル・トライアングル」です。
衝撃波
衝撃波は、推進波と同じ方向に進む波と定義され、ラベルで言えば「1」「3」「5」「A」「C」が衝撃波と見なされます。
一方で「2」「4」「B」は修正波となります。
ダイアゴナル・トライアングル
ダイアゴナル・トライアングルとは、サブ波の集合体がチャート内で三角形を形成する特定のタイプの衝撃波と定義されています。
これは、チャートパターンでも出てきたと思いますが「ウェッジ」とそう変わりません。
ここでは「リーディング・ダイアゴナル」と「エンディング・ダイアゴナル」の2つの種類が登場しますが、「ウェッジ」パターンが、どの位置に出現するかで種類が違います。
リーディング・ダイアゴナル
リーディング・ダイアゴナルは波動の中で最初の波に出現します。
推進波であれば「1」、調整波であれば「A」です。
このダイアゴナルは、他の波の形成を後押しするといった特徴を持っていて、波「1」で発生すれば、「3」「5」を形成させますし。波「A」で発生すれば、「C」を形成させます。

また、このリーディング・ダイアゴナルのサブ波には大きく分けて2つの特有のパターンを尊重します。
それが「5-3-5-3-5構造」「3-3-3-3-3構造」です。
5-3-5-3-5構造

3-3-3-3-3構造

エンディング・ダイアゴナル
エンディング・ダイアゴナルは波動の中で終焉時に出現します。
推進波であれば「5」、調整波であれば「C」です。
このダイアゴナルは、大きな次数の波動の終焉を表す特徴を持っていて、次数の低いサブ波によって、波動が収束し、推進波又は調整波のトレンド転換を示します。
主に、相場の天井や底となる事が多いのが特徴です。

このエンディング・ダイアゴナルのサブ波は常に「3-3-3-3-3構造」を尊重します。
3-3-3-3-3構造

ダイアゴナル・トライアングル内でのエキスパンディング・ダイアゴナル
基本的には、サブ波の集合体であるダイアゴナル・トライアングルは波動が収束するウェッジパターンが主流ですが、反対に拡大するエキスパンディング・トライアングルを形成することがあります。

この画像を見てみると、このような疑問を持つかと思います。
「エリオット波動のルールとして、第4波は第1波の価格範囲まで戻ってはならないんじゃなかったの?」
「全ての推進波、調整波は5つのサブ波で構成されなければならないんじゃなかったっけ?」
実をいうと、ダイアゴナル・トライアングルについてはこの限りではないんですね。
ダイアグラム・トライアングルは波動方向の5波構造というただのパターンであるため、第4波は第1波を割り込むことが普遍的です。
これで「推進波」の解説は以上となりますが、理解は追いついてきていますか?
次に解説する「調整波」は、初心者がエリオット波動を学ぶのに登竜門となる部分です。
ハッキリ言ってかなり複雑な部分となりますが、その辺りは分かりやすく解説するように心がけていきますので、どんなものが存在するのかだけでも確認してみるといいでしょう。
調整波の分類
推進波はメジャートレンドの勢いに乗って、素直に伸びていきやすいので波動のバリエーションはどれも分かりやすいですが、調整波ではそうはいきません。
投資家の様々な駆け引きや、思惑、戦略、感情が乗るため複雑かつ難解なバリエーションが生まれます。
先ずは、修正波の主な4つのタイプを解説していきます。
ジグザグ
「ジグザグ」は5-3-5パターンのサブ波で構成され、「5」から「A」までに5つのサブ波に分解でき、「A」から「B」までを3つのサブ波に分解、更には「B」から「C」までを5つのサブ波に分解することが出来ます。

ここのルールでは、
「B波はA波の起点を超えて遡ってはならない」
さらにこのジグザグのガイドラインとして、
「C波は通常延長するが、A波を超える必要はない」
このジグザグにも2つの亜種パターンが存在していて「ダブル・ジグザグ」「トリプル・ジグザグ」が存在します。
ダブル・ジグザグ

ジグザグの特徴は、通常3つの波によって構成されますが、このダブルジグザグは2つのジグザグを、とある波「X」によって接続されます。
その接続された2つのジグザグの終焉にそれぞれラベルが付けられ「W」「Y」となります。
つまり、各ジグザグの「C」波にラベルを付けます。
トリプル・ジグザグ

トリプル・ジグザグも同様で、3つのジグザグが「X」波によって接続されることによって、更に複雑になります。
また、ラベルも同じく付けられるので「W」「Y」「Z」となります。
フラット
2つ目の調整波は「フラット」は、3-3-5パターンのサブ波によって構成されます。
ジグザグのように最初のA波には5つの波を構成するだけの勢いはなく、だからといって、B波についても反発するだけの勢いもない時に頻出するパターンです。

この場合のルールとして
「A波はトライアングルフォーメーションであってはならない」
「C波は衝撃波若しくはアセンディング・ダイアゴナル・トライアングルを展開する」
また、ジグザグとフラットの区別判断基準として
「B波はA波の起点付近又はそれを超えてリトレースする」
そのB波の度合いによってこのフラットは「レギュラー」「エキスパンディング」「ランニング」に分かれます。
レギュラー・フラット
B波はA波の起点までリトレースし、C波はA波の終点まで戻るパターンです。

エキスパンディング・フラット
B波はA波の起点を超えてリトレースし、C波はA波の終点を超えて戻すパターンです。
これは、ランニング・フラットがピボットして拡大しているパターンとも言えます。

ランニング・フラット
B波はA波の起点を超えてリトレースし、C波はA波の終点まで戻さないパターンです。

トライアングル
3つ目の修正波は「トライアングル」で、様々なパターンが存在しています。
大枠として「コントラクティング」「エキスパンディング」の2つのタイプに分かれます。
このトライアングルのルールは
「トライアングルは、A~Eまでの5つの波を展開しなければないらない」
「少なくとも5つの波のうち4つはジグザグパターンを展開する必要がある」
「コントラクティング」タイプには「アデンディング」「ディセンディング」「シンメトリカル」
「エキスパンディング」タイプには「リバース・シンメトリカル」
にそれぞれ分類できます。
アセンディング・トライアングル:コントラクティング
アセンディングとは「上昇」を意味していて、安値を切り上げながら高値の横ばいによって特徴づけられる上昇波です。

ディセンディング・トライアングル:コントラクティング
ディセンディングとは「下降」を意味していて、高値を切り下げながら安値の横ばいによって特徴づけられる下降波です。

シンメトリカル・トライアングル:コントラクティング
シンメトリカルは「釣り合い」を意味していて、安値を切り下げながら高値の切り上げで形成されています。

リバース・シンメトリカル:エキスパンディング
リバース・シンメトリカルはシンメトリカルパターンの特徴と反転しており、安値を切り下げながら高値を切り上げて形成されています。

より詳しくチャートパターンを知りたいという方は
こちらから詳しく学べるので、よかったらチェックしてみて下さい。
トライアングルが出現するポイントは大まかに4つあります。
- 第4波
- B波
- 最終波がダブルスリーかトリプルスリー
- X波
トライアングルは、これから解説するコンプレックスパターン以外では第2波に現れる可能性は期待できないものとなります。
コンプレックス
ジグザグとフラットの組み合わせや、トライアングルの組み合わせといったとある波Xによって接続された、複雑な調整波を解説していきます。
ダブルスリー
ダブルスリーの特徴は調整波のパターン2つがX波によって接続された複合調整波です。
その組み合わせは合計で6個あります。
- フラット-X-フラット
- フラット-X-トライアングル
- フラット-X-ジグザグ
- ジグザグ-X-ジグザグ
- ジグザグ-X-フラット
- フラット-X-トライアングル
また、組合せパターンはW-X-Y、トリプルスリーではW-X-Y-X-Zのパターンに従います。
トリプルスリー
トリプルスリーの特徴は調整波のパターン3つがX波によって接続された複合修正波です。
その組み合わせは合計で12個あります。
- フラット-X-フラット-X-フラット
- フラット-X-フラット-X-ジグザグ
- フラット-X-フラット-X-トライアングル
- フラット-X-ジグザグ-X-フラット
- フラット-X-ジグザグ-X-トライアングル
- フラット-X-ジグザグ-X-ジグザグ
- ジグザグ-X-ジグザグ-X-ジグザグ
- ジグザグ-X-ジグザグ-X-フラット
- ジグザグ-X-ジグザグ-X-トライアングル
- ジグザグ-X-フラット-X-ジグザグ
- ジグザグ-X-フラット-X-フラット
- ジグザグ-X-フラット-X-トライアングル
X波の存在は、ダブルスリーとトリプルスリーを区別するものであり、ジグザグやフラット、トライアングルのいずれかになる可能性があります。
この場合のルールは
「トライアングルはダブルスリー/トリプルスリーの最初の波には現れない」
「トライアングルは一つのパターンに何度も出現しない」
このコンプレックスパターンは、エリオット波動理論の中で最も難しい側面を持っていて、リアルタイムで分析することが厳しい部分があります。
ましてや、フラクタル構造で成り立っていると考えると、非常に乱雑して混乱を招く危険性があります。
以上で「修正波」の解説を終わりましたが、とても複雑なパターンが多いのが分かるかと思います。
どうしてもトレンドの終焉の相場の方向性とは、買い手と売り手のもみ合いになるので、きれいな修正パターンが出来たからと言って、それをよしとしない投資家もいるのも事実です。
例えば、エリオット波動の第3ルールを守れなかった波動は、相場内で不規則な動きをすることもあるので、調整波を分析するのは控えた方がいいでしょう。
波動の特性
次は、波動の特性について解説していきます。
エリオット波動とダウ理論の関係性を見てみると、エリオット波動の5つの推進派と、ダウ理論のブル/ベアマーケット時の3つの段階にはかなりの共通点が見つかると思います。
それこそエリオット自身もダウ理論を改良し、それを超えた理論だと認識していたようです。
ダウ理論をおさらいしたい方は
こちらを参照して下さいね。
ここでいう共通点とはダウ理論の「相場における3つ段階」です。
この3つの段階はエリオット波動理論でいう3つの衝撃波と酷似していますよね。
ダウ理論での投資家心理にフォーカスを置いた段階毎の投資家心理と、エリオット波動の波の特徴を併せて理解することが、波のカウントの際の道しるべになります。
第1波
第1波の約半分は、値固めの過程の一部だったり、基礎作りの部分であることが多いです。
往々にして相当下落した水準からの単なる反発にしか見えない部分もありますが、第2波より修正する度合いが大きく、テクニカルにみても建設的なので出来高が増えてくる傾向にあります。
時折極めて力強い修正が入ることがありますが、特に大きな低値圏形成後に起きる事が多いです。
第2波
第2波は、通常第1波の全てないしは大部分を戻します。
このときに積み上げた利益はこの第2波によって刈られることになるので、相場のバイアスは恐怖心を大体的に占める事となります。
ですが、第2波が第1波の底値を超えずに、その上方で留まることが出来れば、ダブルボトム/トリプルボトム、リバースヘッド&ショルダーといった伝統的な反転パターンを形成することになります。
第3波
第3波は通常一番長く、最も強力な勢いを持つ波動となります。
この時点でのトレンドは疑う余地がなく、投資家達の自信のある参入が増加してきます。
テクニカル的にも第1波の高値のブレイクとダウ理論でも買いシグナルを示すので、出来高も最大となり、ファンダメンタルズも好材料のことが多いのが特徴です。
また、第3波は比較的「エクステンション」を起こしやすい波動で、推進派の中で最短となる事はありえません。
エクステンション
エキステンションとは、衝撃波の1つが「さらに小さな波を持つ延長した衝撃波」であることです。
第1、3、5波のいずれかに発生しますが、逆を言えばその波の一つにしか存在しないという事なので、衝撃波の長さを推測するのに有効な手段とも言えます。
例えば、第1波、3波が同等の長さであれば第5波がエキステンションする可能性が高いですし、第3波がエキステンションした場合は、第1波、5波の長さは類似します。
因みに第5波がエキステンションした場合は「ダブル・リトレイスメント」が発生する事があるのを頭の念頭に置いておくといいです。

「ダブル・リトレイスメント」は、第5波のエキステンションの起点となった価格帯まで、3つの波によって下降し、再度エキステンションの終了点まで戻す動きをします。
その後、上昇するのか、天井を形成するのかは上位足の相場状況によります。
第4波
第4波は通常コンプレックスパターンになります。
第2波同様、値固めの段階ではありますが、構造において第2波とは異なる「オルタネーション」が発生します。
トライアングルパターンはこの第4波に起きやすくコンプレックスパターンも含むとして、通常第2波より複雑かつ長期にわたって修正波を形成しますが、エリオット波動理論では第4波の底値は必ず第1波の価格範囲に戻ることが出来ないという事を忘れないで下さい。
オルタネーション
オルタネーションとは「交替」という意味で、相場は通常2度連続して同じ動きはしないというものになります。 例えば、
- 第2波が鋭い修正波だった場合、第4波は複雑で平坦でなければならない
- 調整波のB波とC波では異なる必要がある
- 調整波のA波が単純な波形だった場合、B波は複雑である必要がある
- コンプレックスパターン内においても適用される
また例外として、トライアングルを形成した第2波と第4波の間にはオルタネーションがあってはならないとされています。

第5波
第5波は第3波と比べても推進する力強さはありませんが、商品市場ではこの第5波がエキステンションすることが多いです。
だとしても第3波の上昇スピードには劣るので、トレンド角度が緩やかになりながら上昇していきます。
初心者は特に、この第5波の最後の足搔きのような「急上昇」を期待しますが、過去のデータを検証しても、相場のピークでチャートが最も勢いよく上昇したケースは見られないと言います。
また、第5波は第3波と比べても幅の制限は無いというルールもある中で、第3波の起点を超えられないケースがよくあります。
これを、「トランケーション」と言います。 簡単に言うと、ダブルトップを形成する動きを指しています。
トランケーション

トランケーションといった大層な名前が付けられていますが、要は第5波が第3波を超えられなかった時に「ダブルトップ/ダブルボトム」を形成することを言います。
エリオット波動理論のルールにもある通り、第5波は第3波を超える必要がありません。
また、第3波がとりわけ強力な推進を見せた時に発生しやすいです。
A波
調整局面のA波が進行している時、一般的にトレンドにおける単なる戻しと勘違いされます。
その買いサイドが殺到することで、A波のサブ波にもトレンドが形成され、A波のサブ波の数に応じて、B波のパターンを決定づけます。
A波のサブ波が5つの波動で構成されれば、B波はジグザグ、A波が3つの波動で構成されれば、B波はフラット、トライアングルになる事を示しています。
B波
B波は新しいトレンドにおける反発ですが、通常出来高は伴わず、テクニカル的にも強いとは言えません。
それは、ダマシであったり、熱狂的投資家の自己満足の買い若しくは売り、愚かな投資家による売りや買いといった側面を持つ局面でもあります。
つまり、この局面で知らずに取引を行っている投資家たちは、テクニカルが機能せずに振り回されている事が多いですので要注意ですね。
それこそ、エキスパンショントライアングルパターンを形成したり、コンプレックスパターンに突入したり、A波の起点まで反発したり、時にはその起点を抜ける事さえあります。
C波
C波によって、既存のトレンドの終了は疑いの余地がないものとなります。
調整波のタイプにもよりますが、C波はしばしばA波の起点を超えて、トレンド転換の兆しを示し、それを誘発します。
C波は言って見れば、調整波の第3波であり、第3波の多くの特徴を持っています。
このC波は、投資家が抱いていたB波のトレンド継続の幻想をいとも簡単に崩す力を持っているのが特徴です。
イコーリィティ

紹介する場所が無かったので、ここで申し訳ないですが、エリオット波動には波動の「平等性」の特性を持っています。
その特徴を解説すると、推進派の中の衝撃波の1つがエキステンドした場合、残りの2つの衝撃波は同等のサイズになるという物です。
例えば、第3波がエキステンドした場合、次の第4波は第1波と同等のサイズになるというのが、このイコーリィティです。
エリオット波動とフィボナッチ比
波動を特徴づける3つの要素でも説明した通り、波形、比率、時間から成り立っているとお伝えしました。
その中でも最も重要視さらるのは「波形」だと伝え、これまでその波形について、かなりの量を解説してきました。
ここからは、「比率」「時間」について、エリオット波動とフィボナッチ比には、深い関連性が存在していることを解説していきます。
具体的に言うと、フィボナッチ比とリトレースメントの関係について深堀していきますが、この関係はは「価格」と「時間」に適用されます。
その中でも「価格」の方が信頼性が高いとされるので、先ずは「価格」から解説していきます。
フィボナッチ比:価格
フィボナッチ比は下記のリンクでも解説しているので、今回は割愛します。
こちらをご覧ください。
エリオット波動の5-3パターンは常にフィボナッチ数に分解できることが分かります。
1つの完全な波形サイクルは推進波の5つの波形と調整波の3つの波形を合計した8つの波形であることから、これはフィボナッチ数です。
さらに次数を1段、2段と下げていくと、 1段下げた波の数は、推進波が21、調整波が13となり、合計の34個の波で構成されているのが分かります。

更に1段下げた場合、推進波が89、調整波が55となり、合計144個の波で構成されている事が分かります。
実はこれらもフィボナッチ数なんですね。
よって、エリオット波動はフィボナッチ数によって構成されているので、フィボナッチ比が適用できることが分かります。
言い換えるならば、未来の価格動向を予測することがこのフィボナッチ比だという事ですね。
例えば、 推進波では第1波の比率を「1」とした場合に、各衝撃波において、フィボナッチ比を当てはめる方法で言いますと、第3波、第5波は以下のフィボナッチ比分、推進します。
- 161.8%
- 200%
- 261.8%
- 300%
- 361.8%
第3波でフィボナッチ比を当てる場合は、第1波の起点~終点を結んだ比率を比べますし、 第5波であれば、第1波の起点~終点を結んだ比率又は、第3波の起点~終点を結んだ比率を比べる事で、上記のフィボナッチ比に近似します。

調整波は、第1波の比率を「1」とした場合における第2波及び第4波で、以下のフィボナッチ比を当てることが出来ます。
- 61.8%
- 50%
- 38.2%
例えば、第2波でフィボナッチ比を当てはめるのでれば、第1波の終点~起点を結んだ比率で確認しますし、 第4波であれば、第3波の終点~起点を結んだ比率で確認します。

このフィボナッチ比は、A-B-C調整波にも適用されますが、調整波は特に難解なパターンを形成しやすいのでカウントが難しい部分がどうしてもあります。
そうなると、このフィボナッチ比は当てはまらないことになってしまいます。

あくまでも重要なのは、上記にも記載したような最も強力なフィボナッチ比の従う事で常に良質な予測が出来るという事です。
フィボナッチ比:時間
このフィボナッチ比はチャート上の縦軸による価格変動に対して、フィボナッチ比を適用させてきましたが、実は横軸に対してもフィボナッチ比が適用できます。
例えば、第1波を形成するのにかかった時間を「1」とした場合 第3波が起点から終点まで形成する期間のフィボナッチ比を算出し、予測することが出来ます。
また、時間軸が日足、週足、月足、それこそ年単位である場合に、フィボナッチ比を当てはめる方法もあります。
つまり、13日目、21日目、34日目といった具合です。 数え方は、重要な頂点や底から先へと起算していく方法です。

ただし、時間の観点からの予測は難しく、エリオット波動の研究者たちも要素の3つの側面ではそれほど重要視していなかったと言います。
されど、フィボナッチで得られる時間的目標は、重要な転換点から数えてフィボナッチ数に起きると言われています。
デイトレードをメインで行っているのであれば、根拠の一つとしてもいいかと思います。
初心者のためのトレード方法
ここでは、第3波を狙いに行くトレード方法をご紹介していきます。
使う時間足は以下の通り。
デイトレード・・・5M~1H
スイングトレード・・・4H~日足
第1波の見極める
第1波の見極め方は、前回の高値、若しくは安値をブレイクした波を1波とします。

第2波の反転ポイントを見極める
第2波のリトレースは、第1波の起点まで戻してはならないというルールがあります。
また、そのリトレースはフィボナッチ比にて特定できるので、下位足に落としてプライスアクションを確認するのと、第2波中の前回の高値、若しくは安値をブレイクしたらエントリー

第3波での出口戦略
第3波は推進波の中で最も短い波であってはならないというルールがあるので、先ずは1波分と同等の価格幅を狙います。
エキステンションも考えられるので、1波分伸びきらずに反転してきた時は、3波の起点から終点までフィボナッチを当てて、反転する比率付近にてプライスアクションを確認した上で、エントリー若しくはピラミッドエントリー。


メリット
- エリオット波動は投資家のための相場の誘導の詳細なロードマップを提供する
- エリオット波動理論は、機関投資家や個人投資家が作り上げた理論なので、機能しやすい
デメリット
- エリオット波動には恣意的なルールが多いため、科学的根拠が不十分
- 遵守すべきルールやガイドラインが多すぎると、熟慮の度合いが多くなり、リアルタイムでの分析が非常に困難になる
- 波のカウントがトレーダ毎に異なる
まとめ
以上でエリオット波動の解説を終わりますが、如何だったでしょうか? 第一印象ではルールやパターンが多い理論だったかと思います。
この理論は、自己成就的予言効果といって、みんなが信じる方向が極端に集まると、それがまるで事実化のように変化していく理論です。
この理論が科学的に証明されていなくても、エリオット波動理論という有名度によって、その理論の効果は全国の投資家によって確立させている特殊な理論なんですね。
また、ダウ理論やチャートパターン、フィボナッチ数といった理論を上手く組み込んでいるので、この理論を突き詰めれば、エントリー根拠としては十分なものとなるはずなので、これを機に是非とも学んでみて下さいね。
それでは今回は以上です。
次回の記事でお会いしましょう。



